2024.07.01
【開発秘話】7月発売の新製品 薄型アシストスーツ「DARWING UT-Rise」
「アシストスーツは装着が難しくて動きにくい。でも身体の負担は軽減したい。」
お客さまが導入に踏み切れない根本原因を解決して、多くの方の負担を軽減したい。
2024年7月に発売されたインナータイプの薄型アシストスーツ「DARWING UT-Rise(ダーウィン ユーティーライズ)」の、装着性、アシスト力、動作性…多くの課題に挑んだ開発奮闘記をお届けします。
これまでアウタータイプのアシストスーツを開発してきた中で、物流・倉庫業を行っている方に対して広まりを感じつつありました。しかし、外付けギアタイプのスーツは介護業であれば利用者さん、自動車業であれば商品を傷つけるなどの懸念があり導入に踏み切れないといったケースが多くありました。
さらに、これまで着用したことのないアシストスーツを着用するという心理的な抵抗、着用することによる動作抵抗や装着の手間もあり、アウタータイプのスーツがお客様の求める条件とマッチしていない現状もありました。
ニーズ調査をする中で、「作業の邪魔になりにくい」「装着が簡単」といった理由から、お客様からインナータイプのスーツを求められる一方で、そうしたスーツは機能をあまり感じられないと言った課題もありました。
そこでそれらのニーズに応えるべく、まずはアウタータイプのアシストスーツが持つメリット(アシスト力の切り替え機能、アシストレベルの強さ)をインナータイプのスーツに組み込むことで、インナー・アウターそれぞれのメリットを兼ね備えた薄手のアパレルタイプのアシストスーツ「DARWING UT-Rise」の開発をスタートしました。
■営業担当より
大きく3つあります。
①暑さ対策
長時間着用することを想定しているので、必要な部分以外はなるべくゆったりさせて身体に密着しない、着心地の良いものにしたいと考えていました。
②誰でも簡単に装着できること
弊社のアシストスーツの難点として、お客様ご自身で簡単に装着できるものが存在していない現状がありました。
装着にコツが必要になる製品もあり、正しく装着できていないために本来の機能を発揮できていない場合もありました。
スーツ全体を限りなく衣服の感覚に近づけることで、より簡単で自然に装着できる仕様を目指しました。
③サイズ設定
DARWING UT-Riseは男女兼用ですが、男性女性の体格差や細い・太いなどといった体形の差を加味したサイズ設定に苦労しました。
■開発担当より
薄くするために自社のスポーツインナー系の設計実績を活かし、1stサンプルを作成してヒアリングを実施したところ、現場からは意外な反応がありました。
薄くてしっかりアシスト力がある点では高評価でしたが、目立った意見としては「密着したくない」「冷える生地じゃないと暑くて着れない」という意見でした。
どんなに薄いアシストスーツでも1枚羽織ると暑さを心配してしまうほど、現場では深刻な課題であることを実感しました。
そこで、ウェアの密着感を無くしてゆったりさせることで熱がこもらないようにし、素材も全面メッシュに切り替えることで要望に応えようとしましたが、使用する中で「ズレやすい」との課題も出てきました。
ゆったり設計に変更したことで摩擦抵抗が減り、ゴムのパワーに引っ張られて衣服がズレ上がってしまうのです。
全てをゆったりにするのではなく、ズレとのバランスを取りながら部分的に密着させる事が必要で、何度も試作と検証を繰り返して最終設計を作り上げました。
■営業担当より
DARWING UT-Riseを筆頭に、ダイヤ工業の強みを活かした縫製技術と構造でインナータイプのアシストスーツを進化させていき、より日常や仕事に溶け込むアシストスーツづくりを目指していきたいです。
また、現在全身タイプのアシストスーツが主流ですが、今後は「上半身のみ」「下半身のみ」など独立した部分で完結できるような、アシストスーツのニーズに対しても具現化していきたいです。
■開発担当より
将来的にアシストスーツをもっと衣服やユニフォームと一体にして違和感なく人々の仕事や生活に溶け込み、もっと色んな方々のお役に立てる未来を目指しています。
DARWING UT-Riseがそのような未来への足掛かりとなればと思っています。
▼DARWING UT-Rise製品情報
▼労働軽減サポートギアサイト
https://www.daiyak.co.jp/work/